私は高校生の時に、化学の分野で「何か役に立ちたい」という漠然とした思いがありました。その「何か」を探すために、様々な分野を学ぶことのできる応用化学コースに入学しました。学部3年生までに、有機化学、無機化学、物理化学、分析化学、化学工学の5基幹科目を軸にして、多様な学問について修学していく内に、繊維やゴムなど身の回りに溢れている高分子化学に興味をもち、香西研究室を希望し所属しました。研究テーマは脱炭素を見据えたゴムの分解です。研究を進めていく中で、ゴムの分解についての知見をさらに深めていきたい、高分子化学を通して知恵や技術を修得したいという考えに至り、本大学の大学院に進学しました。研究するうえで重要なのは主体性だと思います。目標を設定して、何をすべきか自分自身で考え、行動する。これは社会に出ても必要とされる力だと思います。この物事に対する姿勢を育めるのが、香西研究室での大学院教育だと思います。
受験生の皆さんの中には、私と同じように漠然とした想いを持つ人がいると思います。応用化学コースは多様な学問分野に触れることが出来るので、入学してからやりたいことを決めても遅くはありません。また、自分が興味をもった学問分野をさらに広く深く修めることで、環境や高分子材料の専門家として社会の役に立っていこうと考えています。