プロフィール

氏名濱上寿一
HAMAGAMI, Jun-ichi
役職/職名学系長/教授
出身大学/大学院長岡技術科学大学/長岡技術科学大学大学院
取得学位長岡技術科学大学 博士(工学)
研究職歴1993.4-1996.3 日本学術振興会 特別研究員(DC1)
1996.4-1997.3 東京都立大学 工学部 工業化学科 助手
1997.4-2005.3 東京都立大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 助手
2005.4-2006.3 首都大学東京 都市環境学部 都市環境学科 材料化学コース 助手
2006.4-2007.3 久留米工業高等専門学校 材料工学科 助教授
2007.4-2009.3 久留米工業高等専門学校 材料工学科 准教授
2009.4-2010.3 豊橋技術科学大学 工学部 物質工学系 准教授
2010.4-2013.3 久留米工業高等専門学校 材料工学科 准教授
2013.4-2016.3 関東学院大学 理工学部 理工学科 化学学系 准教授
2018.4-2022.3 関東学院大学 理工学部 理工学科 化学学系長
2016.4-現在  関東学院大学 理工学部 理工学科 化学学系 教授
研究分野無機化学・無機材料科学・ナノサイエンス
所属学会日本セラミックス協会・日本無機リン化学会・日本化学会・日本アパタイト研究会
連絡先hamagami<AT>kanto-gakuin.ac.jp

研究業績は こちら

研究内容

機環境低負荷プロセスを用いた機能性【セラミック薄膜】の創製と評価に関する研究


二酸化チタン(セラミックスの分野ではチタニアと呼ばれています)は、紫外線照射によって優れた光触媒反応と光誘起親水化反応を示す代表的な機能性セラミック材料の一つです。チタニアの光触媒と親水化の化学反応は材料表面で生じるため、省資源化の観点から各種基板表面へ薄膜化することが有効と考えられます。加えて、二酸化炭素の排出に伴う地球温暖化問題を考慮すると、チタニアの薄膜化技術にはグリーンプロセス(低温、大気圧、水溶液系など)を採用することが望ましいと考えます。これまでに、われわれはグリーンプロセスの一つとして、ゾル-ゲル法と温水処理(通常90℃)を組み合わせた手法により無色透明な多孔質光触媒チタニア薄膜を作製することに成功してきました。最近の研究成果として、熱耐性に劣るフレキシブルなプラスチック基板上への応用展開を図るため、生体材料のin vitro評価試験で用いられる36.5℃(ヒトの体温に相当)の温水中でゲル膜を処理した試料を作製し、その試料が紫外線照射による光触媒能と超親水性を示すことを明らかとしました。

環境低負荷プロセスを用いた機能性【金属ナノ粒子】の創製と評価に関する研究

金は、そのサイズを数nmから100 nm程度へナノ粒子化することで、可視光から近赤外領域に特異な光吸収をもつ局在表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon Resonance: LSPR)を示すことが知られています。このLSPRのピーク波長位置は、金属の種類(金、銀、銅など)や大きさ、形態(球、ロッド、プレートなど)、周囲の媒質の屈折率などにより敏感に変化します。金は銀や銅に比べ化学的に非常に安定で、かつ生体親和性の高い材料であるため、最近ではバイオイメージングやバイオセンサに関する研究開発が精力的に遂行されています。最近の研究成果として、簡便で低コストなクエン酸還元法を用いて金コロイド水溶液を作製し、化学修飾されたスライドガラス板上へ固定化された金ナノ粒子がスクロース(砂糖の主成分)に応答するLSPRオプティカル屈折率センサとして機能することを明らかとしました。このセンサは、糖尿病への治療や予防に効果的であると考えられます。