理工学部の友野研究室(応用化学コース)に所属する学生と堀田研究室(先進機械コース)に所属する学生が、金沢区と横浜市立大学の学生と連携して、LINKAI横浜金沢の企業を紹介する冊子を制作しました。
LINKAI横浜金沢とは、根岸湾埋立事業で整備された「鳥浜工業団地」と金沢地先埋立事業により整備された「金沢産業団地」2つの工業地からなる産業集積拠点のことで、1,300社を超える企業・事業所が集積しています。このLINKAI横浜金沢の魅力を発信していくことを目的に、金沢区の協力のもと同区内に立地する4年制総合大学の関東学院大学と横浜市立大学がタッグを組み、昨年に引き続き、第二弾の制作に取り組みました。
冊子のタイトルは「学生が取材に行く~企業の取材にいくので、怖い企業だと嫌だなと思ったら、働く人達は気さくで良い人が多く働きがいのある職場だったと気づいた件2~」。今回は企業の魅力をPRするとともに、就職を控えた大学生たちが企業に聞きたい5つ(「企業が欲しい人材とは!」「学生時代にやっておくべきこと!」「仕事のやりがいと働く環境!」「キャリア設計と人材育成!」「力を注ぐ、地域貢献・社会貢献活動!」)から、2つに絞った内容が紹介されています。両大学の学生たちが、計10社の企業に足を運び、現場見学やインタビューをはじめ、各ページの執筆や編集を担うことで、LINKAI横浜金沢の魅力を学生視点で率直に記されています。
プロジェクトに携わった学生たちにお話を伺いました。
「会社とはどのようなものなのか、学生時代に経験しておくべきことや、企業が求める人材とは何だろうと考えて取材テーマを決めました。大学生たちが就職活動を始めるうえで不安を取り除けるような冊子にしようと、社員の方に少し踏み込んだ質問にもチャレンジしました」と話すのは、2年連続の参加となる須田理華子さん(応用化学コース3年)。須田さんがインタビューしたのは、日本初となる油圧シリンダーメーカーとして発足した株式会社南武。2020年に「超ものづくり部品大賞」の「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞した、電動油圧アクチュエーター「e-Zero」が主力製品となっています。
女性に優しい環境が整備されていることが印象的だったという須田さん。「工場で働く女性社員の割合が気になっていたのですが、高校からの女子生徒の受け入れや、今後も女性社員の増員に前向きだったことが、インタビューを通してわかりました。今、進路に悩んでいる学生もいると思いますが、悩んでいるからこそ知らない世界に自ら足を運ぶことで、自分のやりたいことや興味のあるものが見つかるのではないかと思います。この冊子を手に取った大学生に、LINKAI横浜金沢で働く魅力が伝わったら」と笑顔で話しました。
「工場で働く人たちは、黙々と作業に取り掛かっているイメージをもっていたので、仕事のモチベーションをどのようにコントロールしているのか気になりました。インタビュー時には、上層部の方々が対応してくださったのでとても緊張しました」と話すのは、守屋和起さん(先進機械コース3年)。守屋さんがインタビューしたのは、金属パイプの加工専門メーカーとなる株式会社チューブフォーミング。国内で10社ほどしか扱うことのできない超高圧の液体によって加工させる、バルジ加工(ハイドロフォーミング)を扱っています。
「技術が肝となる製造業では、失敗は絶対に許されないものだと思っていましたが、チューブフォーミングさんでは、新入社員が何度もチャレンジできるような環境が担保されているということに驚きました。これまで、自分が聞き取った内容を第三者へ伝えるために文章化する機会が少なかったので、社会に出る準備の一つになったと感じています。私たちが手掛けた冊子が、進路選択のヒントになったら嬉しいですね」と守屋さんは振り返りました。
関東学院大学は今後も地域活性やまちづくりなど、多種多様な主体と協働して積極的に取り組んでいきます。
インタビュー時の様子
株式会社南武のみなさんと
株式会社チューブフォーミングのみなさんと